<おしらせ>

2023年3月15日をもちまして、denaipenの営業は終了しました。
今日は、2023年7月14日です。ちょうど4か月が経ちました。
昨年末くらいから目まぐるしすぎて、終了のお知らせもできないまま、ものすごいはやさで時間だけが過ぎてしまってました。ちゃんとお知らせもできておらず、申し訳ありませんでした。その間、お問い合わせも頂いていたので、なおさら申し訳なかったです。すこし落ち着いてきましたので、がんばって書いてみます。

昨年12月に始まって2023年の3月で終了なので、約4か月と本当に短い活動期間でした。
終了の理由はいくつかありますが、大きくわけて三つ。

一つは手が回らなくなったこと。
denaipen以外にも、えほんやるすばん~(本屋・店番)、果林社(出版)、展示企画、日常業務(メールや電話、発送、仕入れ、手続き)など、、、これらをほぼ一人でやろうとしてしまって、年明けには 完全に手が回らなくなってしまってました。典型的な業務過多。覚悟はしていたつもりでしたが、やっぱり無理がありました。

もう一つは、denaipenの構想をほとんど誰にも伝えられなかったこと。言葉で伝えるのは、なかなか難しいと思っていたので、できるかぎり可視化してく必要があると考えてましたが、想像以上にうまくできませんでした。いま思えば、待ちの姿勢ではなく もっといろんな人にお願いすべきだったと反省しています。それに加えて十分なゆとりが必要だったのかもしれません。そう考えると、これも「手が回らない」という理由に含まれるのかも。

ここまでは反省が含まれるのでややネガティブな理由ですが、最後の一つはポジティブな理由であり、一番大きな理由と言ってもいいかもしれません。

denaipenで一番最初に(12月に)企画をやって下さった出版社の点滅社さん&小窓舎さんの存在です。話せば長くなるので割愛しますが、点滅社さん&小窓舎さんが、もう一度denaipenでイベント(本屋)をやってみたいと言って下さったことが大きな理由でした。それがなんだか妙にうれしくて「だったら、この場所で正式にお店(※イベントではなく)をやったらどうですか?」みたいなことを言ったような気がします。それから話はとんとんと進んでいき、ぼくは大家さんと不動産屋さんに連絡して3月いっぱいで契約終了にしてもらって、4月には、点滅社さん&小窓舎さんが運営する書店「そぞろ書房」がオープンしました。

そもそも、denaipenは貸しギャラリーではなく、大枠として本屋を目指していました。簡単に言うと、店主が毎回変わる本屋。個展や展示の場所ではなく、あくまでも本屋。
出版社が、著者・印刷屋・製本屋・デザイナー・校正者などと一緒になって本を作って、本屋がその本を売る。※その間に取次会社がいたり、配送会社がいたり、図書館があったり。
そして、本屋から本を買う人がいて、本を読む人がいる。
※そのあとには、本を手放して処分されたり、古本屋へたどり着いたりしながら、また次の読者へ届いていく。

単純化しすぎていますが、それぞれの役割がはっきりしていることにちょっとした疑問というか興味が芽生えてきました(詳しくは前回のブログ→ )。図々しい考え方だと思いながらも、「出版社(や本作りをする人)に本屋をやってほしい」「本屋さんに本を作ってほしい」という二つの構想が生まれました。「~ほしい」というと願望のようだけど、微妙に違っていて、積極的ではなくて佇むような興味に近いかもしれません。
「~ほしい」に部分を、「~みたらどうなる?」「~みたらしっくりくる人もいるんじゃないか」に変換するとやや近いニュアンスになるかも。でもやっぱり、言葉にすると図々しいですね。だから、言葉による説明も極力省いて可視化することで実現していこうと思っていたのでした。そうだった、そうだった。自分の言葉は本当に野暮だな。
長くなってしまいましたが、そんなことがぐるぐるしていたところに、点滅社さん(出版社)&小窓舎さん(本作りのあれこれをやってるユニット)なのです。そうか、こういう道もあるのかもしれないと思うとわくわくしました。自分の手から離れることは、とってもいい流れかもしれない、と思ってあの場所を手放すことにしました。

出版社の人に本屋をやってほしいというのがdenaipenの役割で、本屋さんに本を作ってほしいというのが、果林社の役割になるはずでした(※果林社については、また別の機会に)。簡単に言うと、この二本柱でやっていく構想でした。結果的に、denaipenは終了しましたが、これでよかったなあと思います。自分自身やお店に対して、いろんなものやこととの関係性について、気付いたことがたくさんありました。携わってくださった方々には、本当に感謝です。

そうそう、皮肉にも?これを書いている最中にお店(るすばんばん~)が、20周年を迎えてしまいました。たいした構想もなく始めたお店が20年続き、構想だらけのお店が4か月で終わって、この違いについても興味が湧いています。もちろんそんな単純な話ではないですし、長く続けばいいわけでもないので、なんでもないことなのかもしれないですが。いま興味があるのは、頑丈なものを完成させていくイメージよりも、柔軟なものを作っていく・作り続けていくイメージで今後のことに取り組んでいけたらいいなと思っています。

長々と失礼しました。
詰め込み過ぎのひどい文章だけど、まあいいか。
これからは、まあいいか、というくらいでやっていけたらいいなあ。
このHPもこのブログも削除するか迷いましたが、
誰も見ないであろうHPがあるのもいいかもしれないので
しばらく浮遊させておこうと思います。
短い間でしたが、本当にありがとうございました。

えほんやるすばんばんするかいしゃ/ denaipen 荒木

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