せっかくなので

「商業出版・果林社のこと」

今年2023年の5月から、えほんやるすばんばんするかいしゃの商業出版部門・果林社がようやく動き始めました。商業出版をやり始めて、いろいろと感じることがあるので、ここに書き留めておこうと思います。現段階では、わけがわからないことがいっぱいです。数年後、良くも悪くも今よりも理解が深まったときに記憶を都合よく書き換えないように、いまの状況をできるだけ淡々と記録しておきたいな、という意図もあります。

基本的に自分用の文章なので、人のためではありません。できるだけメモのように雑にやっていけたらと思っていますが、慣れるまでに時間がかかりそうです。最初は なんだかんだ自意識が邪魔して人の目を気にした文章になりそう、、。そもそもこの文体も矛盾だらけなので、慣れてきたら「ですます調」ではなく、肩の力を抜いてひっそりと書けたらいいなと思います。というわけで、あまり整理もせず、行き当たりばったりで書いていきます。

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まず商業出版とは、なんなのか、、、と思ったけど、まずはうちの店のこと。
これを踏まえて、今があるのであくまでこれもただのメモです。

< お店で出版をするようになった流れ >
2003年|高円寺で絵本専門の古本屋としてオープン
2007年|現在の地へ移転 / 前の店舗から徒歩1分の距離
2011年|店内で初展示・きくちちき個展「ちきちきばんばん展」 ※手製本制作
2013年|
・るすばんばん~発行の初の出版物「つながる」(きくちちき著)
・店舗改装のタイミングで2回目の展示(きくちちき個展)にあわせて刊行
2014年|
・2冊目刊行~きくちちき「いちにのさん」
・1Fにギャラリーオープン、2Fに古本屋で2フロアになる
2015年|手製本での出版を始める、手製本3冊刊行
2019年|2Fをクローズ、出版業も休止 ※ここまでで15冊の本を刊行
2021年|店舗リニューアル ~ 1Fが2フロアになり、新刊本も扱うようになる
2022年|3年ぶりの出版物、杉本さなえ「AGEHA」を11月に刊行(初の果林社発行)
2023年|
・出口かずみ画集「小八」を共同出版という形で発行(果林社としては2冊目)
・トランスビューと契約~商業出版流通スタート 

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ざーっと、こういう感じです。
うちの店(えほんやるすばんばんするかいしゃ)は、
2003年に古本屋として始まり、2013年に出版業をスタートさせました。
と言うとかなり大袈裟なので、実際に出版業を意識し始めたのは2015年頃かなあ、と思います。2023年7月15日時点では、16点の本を作っています。そのうち商業出版の流通を使ったのは、近刊の2点のみ(「AGEHA」「小八」)。それ以外の14点は、この流通を使わず直接書店へ卸しているので商業出版という感覚はありません。

ではまず、商業出版とはなにか。
一般的な定義で説明しようと思って、ざーっとネットで調べてみたら、だいたいの説明では「商業出版」と「自費出版」という二つにわけられていました。つまり、出版社が出す本が「商業出版」で、著者自身が自力で出版するのが「自費出版」だそうです。
ああ、なるほど。そういえばそうでした。
この一般的な定義で言えば、著者の自費出版ではないので、16冊全て商業出版となります。
でも、おそらく世間的には、この14冊は商業出版とは認識されないでしょう。

というわけで、一般的な定義だと微妙にわかりにくいので、ここからは僕の認識を含めながら書いていこうと思います。
(間違った認識もあると思いますので、すみません)


< この文章(ブログ)における商業出版の定義づけ >
・出版社がお金を出す(基本的に著者に金銭的負担はなし)
・ISBNコード(国際標準図書番号)が付与されている
・ISBNに書誌情報が登録されている
・出版流通を使って卸している(取次などを経由して卸している)
・または、独自の取引方法で大型書店や中規模書店と取引ができている

< 上記の定義を踏まえた「商業出版」を可視化すると >
・大型書店、中規模書店(所謂、街の本屋)に並ぶor取り寄せができる
(取り扱われる規模は本によって様々です)
・アマゾンなどの大手オンライン書店で購入できる
・書籍にバーコードが付いている(情報が紐づけされている)

忘れていることがまだまだありそうなので、思い出したらその都度追記&修正します。
上記の定義を踏まえて商業出版ではない14点の本はなんなのかと言いますと
適切な言葉がないので、インディーズな出版としましょう。
では、インディーズな出版とはなんでしょう。
わかりやすくするために、上記のようにちょっと整理してみましょう。


< この文章(ブログ)におけるインディーズな出版の定義づけ >
・著者の自費出版ではない
・出版社という形態ではない団体(もしくは個人)が、版元になっている場合が多い
(お店が版元になっている、違う業種の会社が一時的な出版をやる、など)
・版元がお金を出す(基本的に著者に金銭的負担はなし) ※ここは同じ
・ISBNコードが付与されていない
(または、付与されていても書誌情報が登録されていない)
・独自の流通(ほとんどの場合、直取引)で、書店に卸している

こんな感じでしょうか。
この流れで、「インディーズな出版を可視化すると」も書いてみようと思ったのですが、言語化することが難しいので、いったん保留にします。可視化されない部分がインディーズの特徴というか、可視化している部分を書いてもしっくりこない(ややこしくなる)のでいつか書ける時がきたら書いてみます。今回は保留。

ここまで書いて、まあまあ長くなりました。
どうしよう。
あとちょっとだけ書いて終わりにします。

これから先、このブログで書いていくことは、この「商業出版」と「インディーズな出版」ということがカギになっていくと思うので、今回は今後の記事における大前提を書いてみました。
個人的に運営していくうえで相性がいいのは「インディーズな出版」です。「商業出版」は、自分と相性が悪い(やっていける自信がないという感じ)のはわかっているけど、どうしても気になることがあるので、一時的にやっています。
なので、どちらが「いい」「わるい」の話ではありません。
商業出版のおかげでいろんな本に出会えているので、読者としては商業出版はたいへんありがたいです。ちなみに、どちらも好きというか、、、どちらにも好きな本があります。

というわけで、長くなりましたが、今年の5月から「えほんやるすばんばんするかいしゃ」の商業出版部門「果林社」がスタートしました。ものすごく目まぐるしいので、すぐにたくさんのことを忘れてしまってる気がします。それはそれでいいことなんですが、なんとなく書き留めておく場所が必要な気がしています。今後は、なぜ商業出版をやるのか。やりはじめた感触などを書けたらいいな。ひとまず今回は、これにて終わりです。

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